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なぜハダカデバネズミは老化せず、突然死ぬのか…生命科学者が発見した「死の直前まで元気バリバリ」への条件

  • Toshi
  • 2023年10月19日
  • 読了時間: 3分

ハダカデバネズミは、哺乳類としては極めて珍しく、加齢による死亡率がほとんど上昇しないことが知られています。体の大きさからすると通常は数年しか生きないはずですが、30年以上生存する例も確認されています。これは老化研究の分野で非常に重要なモデル動物とされています。

ハダカデバネズミ
ハダカデバネズミ

ハダカデバネズミ(Heterocephalus glaber)は、アフリカのエチオピア、ケニア、ジブチ、ソマリア等に生息するげっ歯類である。

 頭部が大きく、飛び出た歯を持ち、全身がピンク色でしわしわで、体の表面には細かい体毛しか生えておらずつるつるである。属名のHeterocephlus(変わった頭部)、種小名のglaber(無毛の)、また日本語名「ハダカデバネズミ」は、そうした特徴に由来している。


見た目は若いまま、突然寿命が尽きる

老いとは何かと問われたら、みなさんどう答えますか。

「体力が衰える」「顔がシワシワになる」「走れなくなる」「病気になりやすくなる」。全て正解です。一言で定義すると、「死亡率が上がること」と考えるとわかりやすいでしょう。

では、みなさん、「なぜ歳をとると、ヨボヨボになるの?」と聞かれたらどう答えますか。

おそらく多くの人は「生き物は全て歳をとると体が衰える。老化は必然で誰もが避けられない」と答えるのではないでしょうか。

残念ながら、それは間違っています。というのも、ここ30年ほどで「生き物の老化は必然」の常識は大きく塗り替えられてきたからです。

「老いは避けられる」という認識が研究者の間では広まっています。

信じられないかもしれませんが、これは生き物としては決しておかしなことではありません。なぜかというと、老化しない生き物が存在するからです。歳をとってもなぜか若々しい生き物がいるのです。

例えば、ハダカデバネズミというネズミの一種やアホウドリは生きている間、ほぼ完璧な健康を維持し、あらかじめ定められた時がくるといきなり死にます。インドの動物園で飼育されていたアドワイタという名前のアルダブラゾウガメは、死亡時に若いカメと見た目はまったく遜色そんしょくありませんでしたが、なんと250歳でした。見た目が若いまま、突然死ぬわけです。


老化はいまだに解き明かされていない大きな謎

このように老化しない生き物がいるということは何を意味しているでしょうか。

人間を含めて他の多くの生き物はわざわざ老化しているといえるでしょう。岩が風化して砂になるようなものではないということです。何しろ細胞には恒常性を維持するための仕組みが、オートファジー[細胞が自らの一部を分解する作用(自食作用)=編集部注]を含め色々備わっているのですから。

では、その選択にどのような意味があるのでしょうか。進化上有利だったという見方もありましたが、進化学者は否定的です。なぜ老化するのかは、いまだに大きな謎です。

人間は老化のスピードが早いのも特徴です。例えば子孫を残すという観点では人間は20~30代での生殖活動が大半です。男性の場合は70歳で子どもをつくる人もたまにいますが、ほとんどいないのが実情です。ところが、死ぬ間際まで生殖活動を続ける生き物はいくらでもいます。

人間に近い生き物では、サルは妊娠できる期間が長いことで知られています。サルの種類にもよりますが、平均寿命が二十数歳にもかかわらず、二十歳を超えても出産します。子育ての経験があることから、年寄りサルの方が若いサルよりモテるのは有名な話です。若い方がモテるのは人間くらいです。

つまり、老化は必然ではなく、多くの生き物は理由がはっきりしないものの、老いることを選びました。そして、人間は老いを非常に積極的に選んだ存在である可能性が高いです。

 


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